薬局って、ただ薬を出すだけの場所だと思っていませんか?実はその裏には、思わず笑ってしまう日常や、予想外のハプニングがたくさんあります。
薬剤師たちは日々、薬が急になくなったり、閉店間際に駆け込み対応したりと、静かな見た目とは裏腹にけっこう大変。でもそんな日常には、薬局ならではの“あるある”がいっぱい!
この記事では、薬学生や薬剤師を目指す中高生に向けて、薬局の現場で実際に起きているリアルな日常を紹介します。
薬が足りない時のあるある
薬局では、薬が足りなくならないように在庫管理をしていますが、急にたくさん処方されて一時的に在庫が少なくなってしまうこともあります。
薬局の薬の在庫が足りない時、近隣の薬局に分けてもらって間に合わせることがあります。患者さんは待っているので、急いで誰かがもらいに出かけていきます。
ところがそんな時に限って、取りに行っている間に卸さんが昨日注文した薬を届けてくれたりします。
あわてて取りに行ってくれた人、走り損となってしまいます。
たとえ走り損になったとしても怒ったりしないという広い心が薬剤師には必要なんです。
高い薬に限って期限が切れると処方が出る
薬の値段って、高いものだと1錠で1000円以上するものもあります。1箱28錠入りだとすると28000円以上。こういった高い薬でも処方箋を出されたら拒否できないので買うことになります。
初回は薬が入るまで患者さんに待ってもらいますが、2回目からは待たずにお渡しできるよう在庫しておくことになります。
ですが、患者さんの様態が変わったり、治療方針などで薬が変わってしまうことは多々あります。そうなると、お一人の患者さんのために仕入れた薬だと不良在庫となり、社内でもどこも使っていないとそのまま放置となり、期限切れとなってしまいます。
ところがです、そういう薬に限って、期限切れになって廃棄した翌月とかに新たな患者さんで処方が出たりするんです。
「あと1か月早ければ・・・」
こんなことがよく起こります・・・。
暇だとか最近あの人来ないねと言うと来る
薬局では、特徴的な患者さんや状態が気になる患者さんについて「最近あの患者さん来ないねー」などと薬剤師同士で話すことがあります。
またなぜかいつもと違って暇な日があったりすると「今日はひまだねー」と言ってみたり。
でもなぜか、そんな会話をするとその患者さんがやってきたり、突然混んで忙しくなったりするんです。
コトダマ、なのかな?
なので、忙しくしたくなければ「暇だね」なんて絶対言ってはダメ!
閉店間際のあるある
薬局の開局時間は店ごとに決まっていますが、閉店間際にありがちなのが、ギリギリで入ってきた患者さんの薬がすぐ出せないということがあります。
薬局は処方箋を拒否できないですので、たとえギリギリでも開局時間中にきた患者さんの対応はしなければなりません。そういう時に限って薬局に在庫がない薬が処方されていたりします。近隣の店舗から分けてもらえる薬であれば、そこから近隣の薬局まで取りに行ったり、どうしても用意できない場合は翌日以降の対応を患者さんと確認したり。
ということで、残業必須です!
でもたいていの薬剤師は嫌な顔一つせず対応しております!
夕方パートさんが帰ってからが忙しい
薬剤師は女性が多いので子供がいる薬剤師はパートで4時くらいまで働くということがよくあります。そうなると4時以降は残された社員だけになるので人数が減ります。
ところが、薬局で混む時間ってたいてい4時以降~終わりまでだったりするんです。子供が学校から帰って来て鼻水が出ているとか、会社が終わるころに具合が悪くなるなどで夕方受診する人が多いんですね。
なので、パートさんが帰ってからが1日に忙しさのピークとなったりするんです。
夕方受診して薬局に来る患者様、時間がかかるのは薬剤師の人数が少ないからかもしれませんので、「遅い」と言ってイライラせずに温かい目で待っていただけると有難いです。
さっきまで暇だったのに突然激混みになる
薬局の込み具合は、近隣にある医療機関の診療状況にとても影響されます。
医師によっては何人かの患者さんをまとめて診察することがあるので、突然患者さんがなだれ込んでくることがあるんです。大抵、その一番目の患者さんは薬が多かったり、取りそろえるのが大変な内容だったりします。
さらにそんな時に限って遠くの病院の処方箋を持った患者さんもやってきて、その薬も取りそろえるのが大変だったりします。よりによってなぜ今?という感じです。
あっという間にいっぱいになった待合室からは「まだかな?遅いな?」というプレッシャーを込めた目線が送られてきます。
こんな時は、順番に対応しているけれども用意に時間がかかってしまう患者さんもいるということを理解して頂けると有難いです。
金曜日夕方の疑義照会
薬剤師は処方箋の薬をお渡しする前に、処方箋の内容におかしなところがないかをチェックしています。何かおかしなところがあった場合は「疑義照会」といって医師にそのことを確認することになします。
ただ、大きな病院などは金曜日の夕方はすでに担当の医師は帰ってしまっていて、さらに土日は休みで連絡が取れないという状況になってしまいます。
薬によってはすぐに飲み始めなければいけないので、とても困ってしまうんです。
患者さんの治療に影響がでないようにするためにも、週末の処方箋はできるだけ早く薬局に持ってきてください。
薬局によってはスマホなどでできる処方箋受付のシステムがあるので、そういったところを利用して頂けると有難いです。
いつの間にか製造中止になっていた薬がある
薬って販売されてから何十年もたつと、もの凄く安くなってしまうことがあるんです。そうなるとメーカーは利益が出ないので製造を中止してしまうこともあります。
そんな薬が処方されて、薬局には在庫がないので購入しようとすると、そこで初めて製造中止になっていると知ることがあります。おそらく病院やクリニックでもそのことは把握していなかったのでしょう。
メーカーは、普段購入している医療機関には製造中止の連絡を伝えますが、それ以外にはなんの告知もしないんですね。また薬局側も、製造中止などの情報は公共機関から出されたりはしますが、あまりに多いので見ていません。
こういう場合、世の中にない薬は出せないので、処方元の医師に変わりの薬を提案して変更してもらうことになります。
最近、こういういつの間にか製造中止で無くなってしまった薬が結構あるんです。
給料が地方の方が高い
薬剤師の給料は、地域によっても違ったりします。
都市部よりも地方の方が高い傾向なんです。
理由はおそらく、地方では人が少なく薬剤師が確保しにくいからだと思います。
ですが地方では高齢化が進んでいますので医療のニーズは高いんです。なので、給料を上げて薬剤師を確保したいということになるんです。
これから就職先を探す方、転職を考えている方は、地方で暮らすことも考えてみてはどうでしょう。
営業電話が多い
薬局にはよく不動産関係と思われる会社から営業の電話がかかってきます。
いかにも知り合いと言った感じで「〇〇会社の◇◇ですが、〇〇先生はいらっしゃいますか?」とか、会社名は名乗らずに「◇◇ですが、〇〇先生をお願いします」と言ってきます。
もちろん知り合いではないです。
薬剤師はお金持ちで不動産投資をすると思っているのかな?残念ながらそんなにお金持ちではないのですが・・・。
まとめ
薬局の“あるある”、楽しんでいただけましたか?薬剤師というと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、実際には「あるある」と思えるような、身近でリアルな出来事がたくさんあります。薬局は患者さんの健康を守る大切な場所でありながら、そこでは日々、忙しさやハプニングと向き合うプロたちの姿があるのです。
この記事を通じて、薬剤師の仕事に興味を持ったり、「自分も薬局で働いてみたい」と思ってもらえたら嬉しいです!
コメント