「薬剤師なんて不要でしょ?」「薬剤師って薬を袋に詰めてるだけでしょ?」「もうAIで十分なんじゃない?」そんな声を聞いたことがある人もいるかもしれません。でも、本当にそうなのでしょうか?
このブログでは、薬剤師の本当の役割や、なぜ「不要」と思われるのか、そして機械では代替できない薬剤師の価値について紹介します。
進路に迷っている中高生や薬剤師に興味がある方にこそ知ってほしい、薬剤師という仕事の“裏側”と“本質”に迫ります。
薬剤師って不要なの?
薬剤師は不要だと言われることがありますが、ホントにそうなのでしょうか?
薬剤師が不要だといわれる理由と、必要な理由について解説します。
薬剤師不要論とは
「薬剤師って不要じゃない?」「薬剤師って、ただ薬を集めて輪ゴムで止めて袋詰めしているだけだよねー」っていう発言をしばしば聞いたり目にしたりします。ほんとにそうなんでしょうか?
まずは、これを言っている人って、そもそも薬剤師が何をやっているのかをよくわかっていないと思うんです。薬局などで、ただ待合室で眺めているだけだと袋詰めしているだけのように見えるからかもしれません。
さらに「袋詰めしてるだけなのに給料高い」とか「院外になったせいで薬代が高くなった」とか言ったりして、ただ他人を攻撃したいだけかもしれません。
なぜその職業があるのか?その職業は何をしているのか?と疑問に思った時は、そのことについて調べたり聞いたりすればいいのですが、なぜが薬剤師に関してはそれをしないで攻撃的な発言をする人が多い気がします。
薬剤師不要論が出てくる理由は主に
- 何をしているのかが良くわからない
- 医者に診てもらったので、それ以上の余計なことはいらない
ということだと思います。
薬剤師は、医師や看護師に比べて、一般的に知られるようになったのが比較的最近だということもあると思います。
ほんとに不要なの?
では薬剤師はホントにいなくても大丈夫なのでしょうか?
薬剤師が必要な主な理由
- 医療事故を防ぐためのダブルチェックを行っている
- 医師とは違う視点で薬を使った治療を考えている
- 患者さんへの細かい指導をしたり相談を受ける
- 必要に応じて医師に処方の提案も行う
「昔は院内で薬をもらえたではないか」という人もいますが、薬をたくさん出すと儲かる仕組みだったため必要ではない薬を患者さんに渡していたということもあります。そこには薬剤師はいませんでした。
そういったことが無いように、今の制度に変わってきました。
だから、薬剤師が不要ということはなく、必要な存在なんです。
薬剤師の仕事は?
では、薬剤師はどういう仕事をしているのかを見てみましょう。
もちろん、袋詰めしているだけではないですよ!
薬剤師のイメージ
まずは一般的な薬剤師のイメージを考えてみましょう。
- 薬を渡してくれる人
- 薬のアドバイスをくれる人
こんな感じではないでしょうか。
ですが実際はこれは仕事のほんの一部で、他にもいろいろなことをやっています。
薬剤師の仕事は?
薬剤師の仕事の最大の目標は、医療現場を何の問題もなく回るようにする事です。
医療現場のチェック係とも言えます。
実は薬剤師が手にする処方箋には、100枚に1枚くらいは何かしらの問題があるんです。その間違いを見つけて正すのが薬剤師の仕事です。その間違いは、場合によっては患者さんの健康に大きな問題を起こすかもしれないです。それを未然に防いているので、外からの見た目では何事もなく物事が回っているように見えるんです。
ということで、薬剤師がいい仕事をすることで医療現場では何も問題が起こらないということになります。
安心安全な医療を支えているのが薬剤師なんです。
病院や薬局での具体的な仕事は、別記事で書いていますので、気になる方はどうぞ。
薬局薬剤師は何してる?仕事(業務)内容や何時までいるのかを解説!
AI・機械に仕事を奪われる?
薬剤師が医療の安全を守っていることは分かったけど、それってAIに取って変わられるんじゃないの?って思う人もいるでしょう。
今やAIに仕事を奪われる時代ですからね。
でも私は、薬剤師の仕事がAIに変わるのはまだまだ先だと思います。
その理由は、
①命に関わる仕事だから。
医療の安全は誰かが責任をもって対応していると思うと、安心できますよね。これがAIだったら不安じゃないですか?
②臨機応変な対応が必要
医療現場では、例えば同じ検査結果だったとしても薬の使い方が違ったり、同じ人でも時間が経った時に薬の量が違ったりするんです。
こんな時は臨機応変な対応が必要ですが、AIではまだそこまでの対応はできません。
という訳で、薬剤師はまだまだAIに変わられることなく、必要とされていくと思います。
まとめ
薬剤師の仕事は、ただの「袋詰め屋さん」ではありません。薬の専門家として、患者さんの命や健康を支える大切な存在です。
処方内容のチェック、飲み合わせの確認、副作用の予防、患者さんへの説明や相談対応など、AIにはまだ任せきれない複雑で責任ある仕事が多くあります。
これからの時代も、人と向き合う薬剤師の存在価値はなくならない――そんな想いが伝われば嬉しいです。
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